2025年7月、参議院選挙が全国で行われる中、ひときわ目を引いたのがれいわ新選組・山本太郎代表の“異色”の投票呼びかけ動画です。
金髪ウィッグに赤い軍服、サングラス――これはまさに、『機動戦士Zガンダム』に登場する人気キャラクター「クワトロ・バジーナ」(=シャア・アズナブルの別名)のコスプレそのもの。
ネットでは「なぜ今ガンダム?」「政治とアニメの融合?」と賛否が飛び交い、SNS上でも大きな話題を呼びました。
では、山本太郎氏はなぜあのような姿で投票を呼びかけたのでしょうか? この記事では、その背景にある意図や反響を深堀りします。
■ガンダムコスプレの真相|なぜ今「シャア」だったのか?
山本氏がコスプレを披露したのは、れいわ新選組の公式SNSアカウントに投稿された選挙PR動画内。
背景には、実物大のガンダム立像。画面には、赤い軍服と金髪のかつら、黒いサングラスという、“どう見てもシャア・アズナブル”な山本氏の姿。
このインパクトある映像の中で山本氏は、比例代表で立候補した声優・岡本麻弥さんを紹介します。
岡本氏は、『機動戦士Zガンダム』で「エマ・シーン」役を演じていた実力派声優。近年はインボイス制度反対運動「VOICTION」の共同代表としても活動しています。
つまり、ガンダムと縁のある候補者を紹介する演出として、あえて「クワトロ」の姿を借りた――というのが、今回の演出意図だと推察されます。
■山本太郎の「ふつうですよ」発言が話題に
とはいえ、視聴者の目にはかなり“非日常的”に映ったようで、岡本氏から「代表、どうかされましたか?」とツッコまれる場面も。
それに対して山本氏は、あくまで涼しい表情で
「特に何もないですが。普段通りですよ」
とさらり。ある意味でこの飄々とした対応も、シャアに通じる“仮面の顔”のように見えたのは筆者だけではないはずです。
■ポップカルチャー×政治|狙いは若年層へのアプローチ?
このようなアニメを用いたパフォーマンスは、政治の世界では異例です。しかし、山本氏はこれまでも一貫して、“政治への関心が薄い層”への訴求を重視してきました。
かつては「路上パフォーマンス」「ゲリラ街頭演説」「演劇的演出」なども多用し、文字通り“選挙をエンタメ化”することで新しい有権者層を掘り起こそうとしてきた人物です。
岡本氏自身も「伝えることを仕事にしてきたので、何か一歩できるのでは」と語っており、アニメやサブカル文化を政治への入口にしたいという狙いが見え隠れします。
■批判の声も|「他社コンテンツの政治利用では?」との懸念
一方で、当然ながら批判的な声も上がっています。
SNS上では、
- 「シャアのキャラを理解してないで利用してないか?」
- 「ガンダムを政治利用するのはやりすぎでは?」
- 「冗談じゃなく、他社IPの無断使用に当たらないの?」
といった意見が相次ぎました。
特にアニメや漫画に詳しい地方議員やコメンテーターからも、「表現の自由と政治活動は分けるべきでは」との懸念が出されており、今後の議論を呼びそうです。
■ガンダムファンの反応は賛否両論
ガンダムファンの間でも今回の“シャアコスプレ”については評価が分かれました。
- 肯定派:「わかりやすくて面白い」「話題になるだけでも意味がある」
- 否定派:「シャアの本質を理解せずに真似している」「地球にアクシズ落としたキャラだよ?」
確かに、シャアは“カリスマ的な存在”である一方で、作中では人類に核の冬をもたらそうとした人物でもあり、政治的文脈で使うには極めてセンシティブなキャラクターです。
たとえるならば、「ダース・ベイダーの格好で選挙演説をするようなもの」。ファンにとっては笑えない場合もあるかもしれません。
■山本太郎と「表現の自由」
ここで忘れてはならないのが、れいわ新選組が掲げる政策のひとつが「表現の自由の保護」であるという点です。
近年、アニメ・漫画・同人文化などがさまざまな規制や外圧にさらされる中、それを守るという立場を明確にしているれいわは、オタクカルチャーとの親和性を意識しているとも考えられます。
その文脈で、あえてコスプレという形で文化的つながりを示したのだとすれば、今回の演出は単なるギャグではなく、政治と文化の橋渡しとも言えるかもしれません。
■まとめ|“仮面の演出”の先に見えるもの
今回のガンダム風コスプレ動画は、表面的には話題作りのようにも映りますが、その奥には、
- 政治を「自分ごと」としてもらいたい
- 若者・非政治層にもっと関心を持ってほしい
- 表現の自由とポップカルチャーを守りたい
というメッセージが込められているようにも見えます。
ただし、そのアプローチが“やりすぎ”なのか“斬新”なのか――その評価は、有権者一人ひとりに委ねられているのです。
📌 「政治は難しい」から「政治って面白いかも」へ。ガンダムコスプレがきっかけになるのなら、それも一つの変革なのかもしれません。
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