バラエティ番組やゲーム実況など、多彩な活動で知られるお笑いタレントの狩野英孝さんが、過去に経験した“芸能界の裏側”を語ったことで話題になっています。発言の場となったのは、ABEMAで配信された番組「脳汁じゅ~す」。番組内では、芸能界での体験談を「イニシャルトーク」で明かす場面があり、狩野さんが10年前に体験したある出来事に注目が集まっています。
今回は、そのエピソードの中で登場した**“タレントU”**なる人物が誰なのか、その正体に迫るとともに、狩野さんが晒された“ネタ中の飲酒強要”という行為の異常性、そしてそれを取り巻く芸能界の空気について掘り下げていきます。
◆ ネタ披露中に舞台へ乱入した“酔った芸能人”
狩野さんによると、当時はまだブレイク前で、地方での営業やイベントなども積極的にこなしていた時期だったそうです。そんな中、芸能界の知人から「ホームパーティーでネタをやってほしい」と頼まれ、現場に赴いたといいます。
問題が起きたのは、そのパーティーでネタを披露していた最中のこと。観客の中にいた**“U”と呼ばれるタレント**が、酒が入っていたこともあってか、ステージにいきなり乱入してきたのです。そして手にはなみなみと注がれた日本酒のグラス。
「これ飲めよ、お前!」
そう言って、狩野さんに対し日本酒を一気に飲むよう強要してきたというのです。
◆ 「お前、面白くないから飲んどけ」と繰り返される強制
一度ならまだしも、その“飲酒強要”は繰り返されました。狩野さんが酒を一気に飲み、何とかネタを再開しようとすると、U氏は再度ステージに現れ、再びお酒を差し出しながらこう言い放ったのです。
「ネタやんなくていいよ。お前つまんないし。これ、飲んどけよ。」
結局その日、狩野さんは酔いが回った状態で、何とかコントを最後までやり切ったといいます。本人は当時を「辛かったけど、仕事だからやるしかなかった」と振り返っています。
◆ 事務所のマネージャーが激怒し、Uサイドに抗議
異常な出来事に対して黙っていなかったのが、狩野さんのマネージャーでした。現場での行動を見ていた彼は、すぐにUの担当マネージャーを呼び出し、抗議。そこにはU本人も現れました。
狩野さんのマネージャーが「これはさすがにおかしい。ちゃんと仕事として来ているのに、あんな対応はない」と訴えると、Uから返ってきた言葉は、
「ごめんごめん、ギャラ倍にするからさ」
という驚くべきものでした。
謝罪というより、“カネで解決すればいい”という態度が見え隠れする対応に、狩野さん自身も大きな不快感を抱いたといいます。
◆ 最後の“謝罪”はまさかの“写真集”
その場での対応に納得いかないまま現場を後にしようとしたところ、帰り際にUサイドの人間が再び現れ、「やっぱり今日は悪かった」と言いながら紙袋を手渡してきました。
中に入っていたのは、なんとU本人の写真集。
これには狩野さんも、「いや、いらんやろそれ」とツッコミを入れつつ、もはや呆れるしかなかったようです。
◆ Uは誰?ネット上では“推測合戦”も…
このような衝撃的な告白に対し、ネット上では「Uって誰なんだ?」「過去に写真集を出している人で、ホームパーティーを開ける立場…」といった憶測が飛び交いました。
しかし現時点で狩野さんは実名の公表を避けており、あくまでイニシャルトークとして語られているだけです。共演NGにはしていないものの、「これまで一度も共演したことはない」と語っていることから、業界内でも微妙な距離感が続いているようです。
ヒントとして挙げられるのは以下の通り:
- 約10年前に人気があり、芸能界で一定の地位があった人物
- ホームパーティーに人を呼べるレベルのタレント
- 写真集を出版している
- ネタ披露を依頼する立場だった
- 現在に至るまで狩野英孝と共演歴がない
これらの条件をもとに、ファンや記者の間で“候補者リスト”のようなものが作られている可能性も否定できませんが、確定情報には至っていません。
◆ 芸能界の“飲ませ文化”と上下関係の圧力
この出来事は、“たまたまひどい人物に遭遇した”というだけの話では済まされません。実は、かつての芸能界ではこうした“酒の席での強制”や“先輩・売れっ子による無茶ぶり”がある意味で“文化”のように扱われていた時代がありました。
売れていない若手芸人や役者が、先輩の前で酒を飲まされたり、理不尽な要求に従わざるを得なかったりするような構図は、まさに“昭和・平成の芸能界”の典型でした。
狩野さんのように、それを後年になって“笑いに変えられる”芸人であればまだしも、当時は声をあげることすらできなかった人も多かったはずです。
◆ 今だから語れる“異常な空気”と、風通しの改善
今回の狩野さんの告白が注目される背景には、近年の芸能界における“風通しの良さ”も関係しています。SNSやネットメディアの発達により、立場の弱い側からでも声をあげやすくなった今、過去の“理不尽”が少しずつ明るみに出てきているのです。
芸能人によるセクハラ、パワハラ、モラハラなども相次いで報道される中で、「あの頃の常識」は通用しなくなってきています。
狩野さんが語ったのも、単なる暴露話ではなく、「そういう風潮はもう終わりにした方がいい」という意思表示なのかもしれません。
◆ まとめ:正体不明のU、“真実”が求められる時代へ
今回の騒動に対し、狩野英孝さんは名前を出すことなく、あくまで過去の体験としてエピソードを披露しました。しかし、そこには確かな怒りと問題提起が感じられます。
「面白くない」とネタを途中で止められ、酒を無理に飲まされるというのは、本来プロの現場としてあり得ない対応です。そして、そのような行為を“冗談”や“ノリ”で済まされていた時代に対して、「それは違う」と声をあげることは、後進の芸人やタレントにとっても意味のあることです。
実名が明かされることはないかもしれませんが、このエピソードが注目されることで、少なくとも同じような構造の中で苦しむ人が減ることを期待せずにはいられません。
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