日本テレビの人気番組『ザ!鉄腕!DASH!!』で、長年にわたり視聴者から親しまれてきた炭焼きの達人・三瓶金光(さんぺい かねみつ)さん。福島県浪江町の山中に築かれた「DASH村」において、その知識と技術を惜しみなく伝えてきた彼は、現代人が忘れがちな“自然との共生”のあり方を体現する存在でした。
2024年11月17日、惜しまれながら94歳でこの世を去った三瓶さん。この記事では、その生涯を振り返るとともに、死因や家族構成、人生観まで、多くの人々に愛された理由を紐解いていきます。
■三瓶金光さんとは何者か?プロフィールを紹介
まずは基本的な情報からご紹介しましょう。
- 氏名:三瓶 金光(さんぺい かねみつ)
 - 生年:1930年(昭和5年)
 - 没年:2024年11月(享年94歳)
 - 出身地:福島県双葉郡浪江町
 - 職業:炭焼き職人(山仕事師)
 - テレビ出演:日本テレビ『ザ!鉄腕!DASH!!』DASH村企画
 
浪江町に生まれ育った三瓶さんは、10代の頃から炭焼き職人としての道を歩み始めました。当時はまだ電気やガスが普及していない時代。日々の生活に欠かせない“薪”や“炭”を作る仕事は、地域にとって非常に重要なものでした。
山と向き合い、木と語り、火を操る。そうした日々を何十年も続けた彼の手から生まれる炭は、まさに“生きている炭”といえるほどの品質を誇っていたのです。
■「DASH村」の炭焼き先生として全国区に
三瓶金光さんの名前が全国に知られるようになったのは、2000年代に入ってから。『ザ!鉄腕!DASH!!』の名物企画「DASH村」が放送されたことがきっかけでした。
当時、TOKIOのメンバーが“何もない山村”から自給自足の生活をスタートさせるという企画で、生活に必要なエネルギー源として「炭作り」が必要となりました。そこで白羽の矢が立ったのが、地元の名人である三瓶さんだったのです。
初登場時の三瓶さんは、TOKIOの面々に対して厳しくも温かい指導を行い、徐々にファンの心を掴んでいきました。
- 「炭は“生き物”だ」
 - 「炎を見るんじゃない、木の呼吸を感じろ」
 - 「山の命を預かる覚悟を持て」
 
こうした含蓄ある言葉の数々は、番組内でもたびたび名言として紹介され、まさに“師匠”としての貫禄を見せつけました。
■死因は白血病 晩年も自然と共に
三瓶さんは2024年11月17日に福島県内の病院で亡くなりました。
死因は白血病だったと報道されています。
高齢ということもあり、闘病は長く続いたものの、最期まで穏やかに過ごされていたといいます。地域住民によると、晩年も無理のない範囲で庭の手入れをしたり、山を眺めたりと、「自然に囲まれた日常」を静かに楽しんでいたとのことです。
『DASH!!』の公式X(旧Twitter)では、次のような追悼メッセージが掲載されました。
「炭焼き名人・三瓶さんへ。あなたがくれた“火”と“教え”は、ずっと私たちの中で燃え続けています。ありがとうございました」
ネットでも多くの視聴者が追悼の意を表し、トレンド入りするほどの反響がありました。
■三瓶さんの結婚歴と家族構成
公に大きく語られることは少なかったものの、三瓶金光さんには**ご結婚された配偶者(妻)とお子さん(少なくとも一人の息子さん)**がいらっしゃったとされています。
地域でのインタビューなどでは、次のような発言も残っています。
- 「家内も昔は山に登ってた」
 - 「息子は別の仕事をしてるけど、炭焼きの大切さはわかってくれてる」
 
つまり、三瓶さんの子どもは家業を継がなかったものの、彼の仕事を否定することなく尊重していたという背景がうかがえます。
また、孫の存在についても地域住民の証言などで触れられており、親族の絆は深かったようです。
■三瓶金光さんが残した“生き様”という財産
三瓶さんが私たちに遺したものは、炭という物質的なものだけではありません。それ以上に、
- 自然と対話する姿勢
 - モノを作る喜びと責任
 - 技術を惜しみなく他人に伝える精神
 - 時代に流されず、自分の道を信じて歩む心構え
 
といった、人間としての在り方そのものでした。
DASH村の取材陣やTOKIOメンバーはもちろん、視聴者の多くが彼の姿に心を打たれ、「失ってはいけない日本人の精神性」をそこに感じ取ったのではないでしょうか。
■浪江町と三瓶さん──失われた村、残った心
東日本大震災による原発事故の影響で、DASH村のロケ地でもある浪江町は長らく立ち入り制限がかかっていました。
三瓶さんの住まいも例外ではなく、一時は避難生活を余儀なくされた時期もあったそうです。それでも彼は「ふるさとは変わらん」と語り、村が戻るその日を静かに待ち続けました。
晩年には、ようやく浪江町での生活が再開でき、ゆったりとした日々を取り戻すことができたとのこと。その表情には、決して悲観的でも諦めた様子でもない、“受け入れた者だけが持つ静けさ”がにじんでいたといいます。
■まとめ:火を見つめた人生は、静かに、そして確かに燃え尽きた
三瓶金光さんの人生は、炭を焼くような人生でした。
- 手間をかけ
 - 時間を惜しまなかった
 - 誰にも見られないところで火を守り続けた
 
その姿は、現代社会のスピードと効率に流されがちな私たちに、「本当に大切なものは何か」を静かに問いかけてくれます。
94年という歳月を、自分の信じる道に真っ直ぐに生き抜いた三瓶さん。
もうテレビの画面でお会いすることはできませんが、その“火”は私たちの心のどこかで、今も燃え続けています。
🕯 三瓶金光さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
  
  
  
  
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