中国と日本の外交関係の最前線に立ち、しばしば話題の発言でも注目を集める人物——それが現在、中華人民共和国の駐大阪総領事を務める薛剣（せつ・けん）氏です。
その一方で、「外交官としての実績は？」「学歴はどこ？」「結婚しているのか？」「家族構成は？」といったプライベート面やキャリア全体像は、日本の一般メディアではあまり取り上げられていないのが実情です。
本記事では、薛剣総領事について多角的に深掘りし、「一体どんな人物なのか？」を明らかにしていきます。
■ 薛剣氏の基本プロフィール
- 氏名：薛 剣（Xuē Jiàn）
- よみがな：せつ けん
- 生年：1968年7月
- 出身地：中華人民共和国 江蘇省淮安市漣水県
- 現職：駐大阪中華人民共和国総領事（2021年〜）
- 学歴：北京外国語大学日本語学部（旧・北京外国語学院）
幼少期を中国の内陸部で過ごした後、名門・北京外国語大学で日本語を学び、その後は外交官として一貫して日中関係の現場でキャリアを積み上げてきました。
■ 学歴：エリート外交官の登竜門「北京外国語大学」
薛氏の原点ともいえるのが、**北京外国語大学（旧称：北京外国語学院）**です。ここは中国屈指の外国語大学であり、中国政府の外交官養成機関としても知られています。
1988年に入学し、1992年に卒業。専攻は日本語学部でした。
この時代の日本はバブル経済真っ只中。日中関係は経済交流が盛んであり、**「日本語ができる若者＝将来のキーマン」**という文脈があったのも事実です。
その後、外務省（外交部）に入省し、30年以上にわたり日本と深く関わるキャリアを歩んできました。
■ 外交キャリア：一貫して“対日外交”の現場に
▼ 初期：アジア局と東京勤務での経験
- 1992年〜1995年：中国外交部アジア局 職員・アタッシェ
- 1995年〜1999年：駐日中国大使館でアタッシェ・三等書記官
- 1999年〜2006年：再び中国本国に戻り、外交部アジア局で副課長まで昇進
▼ 中堅以降：日本と中国を往復する要職を歴任
- 2006年〜2012年：再び駐日中国大使館勤務、一等書記官・参事官
- 2012年〜2014年：外交部アジア局 参事官兼課長
- 2014年〜2018年：駐日中国大使館 公使参事官
- 2018年〜2021年：外交部アジア局 副局長
▼ 2021年から現職：駐大阪総領事
2021年6月、ついに**“大使級”の大阪総領事に就任**。これは日中関係の中でも重要都市・関西圏の外交を一手に担う、非常に重要なポストです。
■ 薛剣氏の役割：単なる名誉職ではない“大使級総領事”
大阪総領事は、中国の国家戦略における西日本地域との窓口的存在。とりわけ経済交流や文化交流、華僑ネットワークの管理、日本の地方自治体との連携など、任務は多岐にわたります。
薛剣氏はこの任務を果たしながら、
- 神戸市と中国・大連市の連携覚書に出席
- 関西の企業・議会と日中関係強化を目指した交流
- SNS（X）で中国政府の立場を積極発信
など、従来の総領事以上に**“顔の見える外交”を展開**しています。
■ 発言も注目｜SNS発信型の外交官
薛氏は、X（旧Twitter）で個人アカウント（@xuejianosaka）を運営し、中国の外交スタンスや対米批判、日中友好の必要性について積極的に投稿しています。
特に話題となったのが、2024年10月の衆議院選に際して「比例代表は『れいわ』とお書きください」と発言した投稿です。これは日本政府から削除要請を受け、外交的にも物議を醸しました。
こうした一連の行動は、中国の外交官としては非常に珍しく、「外交＝静的な裏舞台」という従来のイメージを覆す存在といえます。
■ 薛剣氏の“家族構成”は？結婚はしているのか？
公式な情報では、薛氏の結婚歴や家族構成については公表されていません。
中国の外交官においては、家族情報をあえて非公開にすることが通例であり、これは「安全保障上の理由」および「個人情報保護」の観点からとされています。
とはいえ、北京での長期勤務や日本での駐在を繰り返していることから、配偶者やお子さんがいる可能性も高いと見られています。
また、外交官の家族は国際的な教育環境で育つことが多く、日本のインターナショナルスクールや中国系学校に在籍する例もあります。
■ 「反米発言」として炎上する場面も
2021年以降、薛氏はアフガニスタン問題、台湾情勢、米中摩擦などをめぐり、かなり辛辣なコメントをSNS上で発信しています。
代表的なものは：
- 米国のアフガン撤退に関し「これが米国の“成果”」と皮肉
- 台湾問題で「中国の内政に干渉するな」
- 米国のダブルスタンダードを鋭く批判
こうした主張は、中国政府の方針と一致していますが、日本国内では「挑発的」と受け止められることも少なくありません。
■ 総領事としての“異色の存在感”
薛氏は、従来の中国総領事とは一線を画する存在です。
- SNSという“可視化”ツールを使って外交を行う
- 複数回の日本勤務で文化理解も深く、流暢な日本語を話す
- メディアにもたびたび登場し、国際関係を語る姿勢が明確
つまり、伝統的な外交官と“現代的な発信者”のハイブリッド型リーダーなのです。
■ 今後の注目ポイント：薛剣氏は“大使候補”か？
外交部アジア局副局長というポストを経て、大阪総領事に就任している薛氏は、中国外交部内でも次期・駐日大使や外務副大臣候補の一人と噂される存在です。
特に日本通であり、日中関係を熟知している点から、今後のキャリアアップが予想されます。
また、仮に政界入りするような動きがあれば、さらに大きな注目を集めることになるでしょう。
■ まとめ｜薛剣氏とは「日中外交の最前線で闘うリアリスト」
薛剣（せつ・けん）氏は、単なる“駐在官”ではなく、時代の変化に即した新しい外交官像を体現する人物です。
- 中国国内ではエリート中のエリート
- 日本への理解と現地ネットワークも豊富
- 対外的に自国の立場をはっきり発信する姿勢
- 家族構成は非公開ながら“公私分離”のプロフェッショナリズムを感じさせる
これからの日中関係において、彼がどんな働きを見せるか。あるいは次の舞台に進むのか。注視していく価値のあるキーパーソンです。
コメント