かつて「AOゼミナール」の名で運営されていた進学指導塾が、「SS義塾」と名称を変えて再スタートを切ったのは最近のことだ。
しかし、2025年12月、突如として受講生や保護者のもとに不穏な空気が流れ始めた。授業の停止、連絡不能、そして授業料の返還未対応――。
一体何が起きているのだろう。
本記事では、SS義塾の運営者・苗田氏の経歴や学歴の実態、事業の歩み、トラブルの背景、そして今後の展望に至るまでを、多角的に解説していく。
■ SS義塾とは？かつては「AOゼミナール」の名で活動
SS義塾は、もともと「AOゼミナール」という名称で運営されていたオンライン学習サービスである。
主にAO入試（総合型選抜）や推薦入試に特化した対策指導を行う塾で、近年の大学入試改革の波に乗って注目を集めていた。
2024年に「SS義塾」へとリブランドされた後も、SNSなどで積極的な情報発信を行い、広告にも力を入れていた。
特にYouTubeやInstagramでは、現役高校生やその保護者をターゲットとしたPR動画を頻繁に投稿していたのが印象的だ。
運営の母体は個人事業に近い形態であったものの、「合格実績を多数輩出」「面接指導に強み」といったアピールが功を奏し、短期間でそれなりの認知度を得ていたといえる。
■ 代表・苗田岳史氏とは？公式プロフィールは存在せず
SS義塾の運営者である苗田岳史氏については、公式な経歴や学歴に関する情報がほとんど公表されていない。
SNS上では本人と思われるアカウントが存在し、自身の塾やラーメン店についての情報発信を行っていたが、肝心の学歴や職歴には触れていなかった。
確認されている限りでは、「SS義塾代表」「元AOゼミナール運営者」「魔界系ラーメン店オーナー」などの肩書を自称しているが、学歴や教育資格の明示はなく、これが後述する“信頼性の問題”にもつながっている。
■ 教育事業とラーメン店経営――異色の二面性
苗田氏が手がけていたもう一つの事業が、「魔界系 三冠馬」というラーメン店である。
コンセプトは“魔界を彷彿とさせる世界観”で、赤や黒を基調とした店舗デザイン、奇抜なBGM、異世界ファッションのスタッフなど、非常に個性的な演出で話題を呼んだ。
このラーメン店は2023年に都内某所でオープンし、SNS映えを意識したユニークな世界観が一部で好評を博したものの、味やサービス面では賛否が分かれていたようで、長期的な集客には苦戦していた模様だ。
教育事業と飲食業という、あまりにもジャンルの異なる分野を並行して運営する姿勢には、ネット上でも「本業はどっち？」「教育業に専念すべきでは」といった声が多く見られた。
■ 2025年12月：SS義塾の突然の停止と資金流出トラブル
2025年12月、SS義塾の受講生やその保護者の間で、ある異変が広がった。
予定されていた授業が突如として中止され、講師との連絡も取れない状態に。
そして、その後数日間で公式サイト・SNSアカウントの更新が完全に停止し、最終的にはすべて非公開となった。
一部の保護者によれば、「数ヶ月前から授業料を前払いしていたが、何の連絡もなくサービスが停止された」と証言している。
返金を求める問い合わせにも応答がなく、「事実上の夜逃げでは？」との声も上がっている。
SNS上では「詐欺ではないか」「被害届を出した」といった報告も見られるが、明確な法的対応がされた形跡は確認されていない。
■ 学歴や指導実績への疑念が拡大
苗田氏が教育ビジネスを展開する中で、少なからず注目を集めていたのが「本人の学歴が不明である」という点だった。
公式サイトやSNSでは、塾生の合格体験談や講師紹介などは掲載されていたが、代表自身の学歴や教育資格については一切明示がなかった。
当然ながら、塾や予備校といった教育サービスにおいては、運営者の専門性や実績は非常に重要な評価基準となる。
本人の経歴が不明瞭なまま授業料を徴収し、指導を行っていたことに対して、ネット上では批判的な意見が相次いだ。
さらに、過去のX（旧Twitter）投稿などから多くの噂が出回っており教育者としての信頼性に疑問符がつけられている。
■ 塾業界の闇を映す出来事――透明性と信用の重要性
今回のSS義塾に関する問題は、単なる一塾のトラブルにとどまらず、オンライン教育業界全体が抱える構造的な課題を浮き彫りにしているともいえる。
現在、個人や小規模事業者でも、SNSを活用すれば簡単に教育サービスを立ち上げることができる一方で、運営者の身元や教育スキル、指導体制がきちんと検証される仕組みはほとんど存在しない。
そのため、「実態が不明瞭な塾」「経歴を明かさない講師」「SNS映えだけを狙ったビジネスモデル」といったリスクが、保護者や生徒の自己責任に委ねられているのが実情だ。
■ まとめ：異色の経歴と不透明な学歴の“代償”
SS義塾を運営していた苗田岳史氏は、その異色のキャリア――教育塾の代表と魔界系ラーメン店経営者という二面性――で注目を集めてきた人物であった。
今回の件は、保護者や生徒、そして教育業界全体に対し、「誰から、どんな指導を受けるか」を見極める重要性を改めて突きつける出来事となったのではないだろうか。
コメント