お笑いコンビ・とろサーモンの久保田かずのぶ氏が、2025年11月24日に放送されたテレビ朝日系バラエティ番組「耳の穴かっぽじって聞け！」で語った内容が話題を呼んでいます。
番組内で久保田氏は、長年“納得がいかない”と感じ続けていたMCの存在を明かしました。その発言は名指しこそ避けていたものの、本人の怒りや疑念が生々しく伝わる内容で、多くの視聴者や業界関係者の間で「あのMCは誰なのか」と憶測が飛び交っています。
今回は、久保田氏の発言の背景や文脈を丹念に読み解きながら、彼が言及した“MC像”に迫るとともに、なぜそのような問題が業界内で起こるのかについても掘り下げていきます。
久保田の発言要旨：「我慢の限界に達したMC」
番組では、「MC毒出しノート2025」と題したトークコーナーが設けられ、久保田氏は自らの“毒”を吐き出しました。彼が最初に明かしたのは、「ずっと1人だけ納得がいかないMCがいる」というもの。その人物に対して久保田氏は、以下のような不満を述べています：
- スタジオで突然「お前、面白くないな」と言ってくる
- 「M-1チャンピオン」という紹介に対して冷ややかな態度を取る
- スタッフや後輩芸人からの評価も良くない
- 空気を壊すような発言で、現場の雰囲気を悪化させる
- 「あのMCが売れているのは、事務所の後ろ盾が強いからでは？」と感じる
これらの発言からは、単なる“嫌い”という感情だけでなく、長年積み重なってきたフラストレーションが限界を超えた末の爆発であることがうかがえます。
名前を明かさなかった理由と「告発」の意義
久保田氏はあくまでも「名指し」を避けつつ語っており、そのスタンスには一定の計算があると考えられます。名指しによる批判は、名誉毀損や事務所間のトラブルに発展する可能性が高く、業界内で“干される”リスクも伴います。
そのため、あえて名前を伏せた状態で「誰が見ても分かるかもしれないヒント」だけを残し、共演者や視聴者に“察してもらう”という手法を取ったのではないでしょうか。
このような形での批判は、直接対決を避けつつも、自身の思いを伝える非常に巧妙な手段とも言えます。
久保田の怒りの背景にある“構造的ストレス”
お笑い業界、特にテレビバラエティにおいては、MC（司会者）の影響力が極めて強く、番組のトーンや出演者の立ち位置さえ左右されます。その中で、久保田氏のような“尖った芸風”の芸人にとって、既得権を握るMCとの関係性は時に悩ましいものになります。
久保田氏が語った内容からは、以下のような業界構造上の問題が透けて見えます：
- 大御所による“圧力型”の現場運営
- 所属事務所の力関係が現場の扱いに影響する
- 成功してもリスペクトされないM-1芸人の扱い
- 若手や後輩が“空気を読む”文化に支配されている
つまり、この発言は「特定のMCへの個人的な怒り」にとどまらず、テレビ業界の権力構造そのものへのアンチテーゼとも読み取ることができます。
久保田が語った“MCの特徴”から読み解く人物像
番組内で久保田氏は、「現場で最初から高圧的に来る」「ウケているのに“面白くない”と茶化す」「事務所の力で今の地位がある」といったキーワードを散りばめました。
この特徴から浮かび上がる“MC像”を整理すると、以下のような条件が考えられます：
- バラエティの現場を主導する立場にいるベテラン
- 共演者に対して軽口や厳しい態度を取る場面が多い
- 世間的な人気と“裏の顔”にギャップがある
- 所属事務所の力が強い（＝芸人が多数在籍する大手）
- 過去にM-1芸人とたびたび共演歴がある人物
当然、これらの条件に当てはまるMCは限られており、一部の名前がネット上では推測として挙がっているのも事実です。ただし、久保田氏が明言していない以上、「この人だ」と断定することはできません。
業界内から見た“共演NG”のリアル
テレビの制作現場では、実際に「共演NGリスト」というものが存在すると言われています。芸人同士やMCとの不仲、あるいは過去にトラブルがあった場合、出演者の希望によって“避けられる”ケースがあるのです。
久保田氏が今回のように、感情を押し殺さずに声を上げたことにより、これまで黙ってきた他の芸人が後に続く可能性もあります。
とはいえ、MCの立場にある人物は、キャリアも実績もあるベテラン。業界全体がその人を「神格化」している場合も少なくありません。そうした構造の中で異議を唱えるのは、相当の覚悟とリスクが伴います。
SNSの反応：「名前は伏せても誰かわかる」
久保田氏の発言に対するSNSの反応を見てみると、
- 「誰のことを言ってるか、なんとなく分かる」
- 「勇気ある発言だと思う」
- 「裏でのパワハラ的態度を見てきた他の芸人もいるはず」
- 「名前を出さなかったのは正解。でも伝わった」
など、発言に共感する声が多数見られました。
一方で、「具体的な証拠がないままの“実質的な告発”はどうなのか」といった慎重な意見も見られ、議論は賛否両論に分かれている印象です。
業界は変わるのか？“声を上げる芸人”の存在意義
最近では、芸人がYouTubeやラジオなどを通じて、テレビでは言えなかった本音を吐露する場面が増えています。久保田氏の今回の発言も、そうした「メディア外の自由な発言文化」の一環と見ることができます。
旧来的な「縦社会」「忖度」「遠慮」が色濃く残るテレビ業界において、こうした声がきっかけとなり、変革の糸口になる可能性もあります。
実際、芸人の中には「共演者にリスペクトのないMCとは仕事をしたくない」と公言する者も増えつつあり、視聴者もそういった声に敏感になっています。
まとめ：誰もが“本音”を言える業界へ
とろサーモン久保田氏の発言は、単なる愚痴や不満ではありません。テレビ業界に根付く“圧力構造”や、“笑い”という名の下に許容されてきたパワハラ的な行動に対して、一石を投じるものでした。
名前こそ伏せられましたが、その中には久保田氏自身の「業界に対する問いかけ」や「自分を含めた芸人たちの処遇への問題提起」が込められているように感じられます。
今後、芸能界が“空気を読むだけの場所”から、“人間としての尊重が通じる職場”に変化していくには、こうした声が無視されず、真摯に受け止められる土壌が必要です。
私たち視聴者もまた、表面的な面白さだけでなく、舞台裏で交わされている「リアル」に目を向ける時期なのかもしれません。
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