日本の女性ラッパー界に衝撃が走った2025年6月。
フィメールラッパーとして個性的なスタイルで知られるNENEが、自身の新曲「FXXKED UP」の中で、同じくトップクラスの人気を誇るちゃんみなとAwichに対して痛烈な言葉を放ったことが、大きな話題を呼んでいます。
この出来事をきっかけに「ビーフ(ラップバトル的対立)」や「パクリ疑惑」など、多くの議論がSNSを中心に沸騰中。
この記事では、その騒動の背景やヒップホップ特有の文化、そして両者の主張とファンの反応までを、ラップ初心者にも分かりやすく解説していきます。
■NENEの新曲「FXXKED UP」に込められた攻撃的メッセージ
問題となったのは、NENEが2025年6月に発表した「FXXKED UP」という楽曲。
この中で、彼女は明言こそしていませんが、明らかに特定のアーティストを想定していると受け取れる歌詞を披露。
特に「自分のスタイルを盗んだ」「中身のないスタイルだけのアーティスト」といった表現は、ちゃんみなやAwichを想起させる内容として、ファンの間で瞬く間に拡散されました。
NENEのリリックは、単なる批判に留まらず、自らのアイデンティティと誇りを強く主張した内容であり、それだけに今回の件は“宣戦布告”とまで受け止められる形となったのです。
■なぜラップでディスる?「ビーフ文化」の基本を解説
ラップに不慣れな方からすると、「直接言えばいいのに、なぜ曲で?」と疑問を抱くかもしれません。
実はこれ、ヒップホップでは極めて一般的な文化です。
いわゆる「ビーフ(beef)」とは、ラッパー同士の間で起きる論争や対立を指し、その多くは楽曲を通じて表現されます。
ビーフは単なる喧嘩ではなく、表現力・言葉選び・リズム感などのスキル勝負ともいえ、ヒップホップ特有のクリエイティブな“戦い”なのです。
このように、ディス曲を通して意見をぶつけ合うことは、ヒップホップの“流儀”とも言えるでしょう。
■パクリ疑惑の中身:何がどう「似ている」のか?
今回、NENEが問題視した最大のポイントは、ちゃんみなの音楽スタイルやビジュアルが、自身のものと酷似しているという点です。
主張の具体例としては以下の通りです:
- フロウ(歌い回し)のパターンが酷似している
- リリック(歌詞)の構成・世界観が類似している
- 衣装やMVでの見せ方、メイクなどビジュアル面での重複
ラッパーにとって「スタイル」は命とも言えるもの。たとえるなら、画家が「自分の絵の筆遣いや配色を真似された」と感じたような、創作の核心を侵害された感覚に近いものかもしれません。
■ファンやネットの反応:「真似」か「リスペクト」か?
SNSを中心に、NENEの主張に対する反応は真っ二つに分かれました。
支持派の声:
- 「ちゃんみな、確かに最近の曲はNENEっぽい」
- 「フロウの感じとか、MVの演出に既視感ある」
- 「NENEはずっとこのスタイルだった。言いたくなるのも分かる」
擁護派の声:
- 「似てるって言っても、ジャンルが同じならある程度似るのでは?」
- 「NENEも海外アーティストの影響受けてるでしょ」
- 「“真似された”っていうのはちょっと被害妄想っぽいかも」
音楽やアートにおいて、影響と模倣の線引きは非常に曖昧です。そのため、「これはパクリだ!」と断定するのは非常に難しいのが実情です。
■ちゃんみな・Awichの反応は?沈黙の裏にある戦略とは
現時点で、ちゃんみなもAwichも公式なコメントやアンサーソングは出していません。
この沈黙の背景には、以下のような戦略的な理由があると考えられます。
- 無視することで騒動を沈静化させる意図
- アンサーを出すとビーフが激化してしまう
- 自分の作品で自然に“主張”を表現する方針
中には「アンサー出して!」というファンの声も多く、今後の対応次第では、ビーフがさらなる盛り上がりを見せる可能性もあります。
■過去のビーフと比較:日本でも定番の“ヒップホップ劇場”
日本でも、これまで数々のビーフがありました。
- K DUB SHINE vs DABO
- 般若 vs MSC
- R-指定 vs DOTAMA(バトルイベントでの直接対決)
これらは結果としてラッパーの知名度や楽曲のクオリティ向上につながり、ヒップホップシーン全体の発展に貢献してきました。
そう考えると、今回の件もネガティブな騒動ではなく、新たな創造のきっかけとも捉えることができるかもしれません。
■筆者の見解:これは“表現”であり“挑戦”である
正直、初めてこの騒動を目にしたときは「また炎上か」と思いましたが、楽曲をよく聴くとNENEの怒りにはそれなりの“筋”も感じます。
もちろん、ちゃんみなやAwich側の意見もまだ出ておらず、一方的に判断するのは早計です。
しかし、ラッパーという表現者にとって、自分の世界観を守ることは生き様に直結していると考えれば、NENEの今回の行動も理解できる部分があります。
■まとめ:NENE vs ちゃんみな、その本質は「創造性と誇り」のぶつかり合い
今回の騒動を整理すると以下のようになります:
項目 | 内容 |
---|---|
発端 | NENEの新曲「FXXKED UP」 |
対象 | ちゃんみな、Awich(ビジュアル・楽曲内容が類似?) |
核心 | パクリ疑惑(スタイル・歌詞・演出) |
リアクション | 双方とも公式コメントなし、ファンの議論は白熱 |
今後の展開 | アンサーソングor沈黙? ラップシーンの注目が集まる |
このビーフがどう展開するのかは、両者の次の一手にかかっています。新たな楽曲が出れば、また新しい評価や議論が巻き起こることでしょう。
■最後に:リスナーの私たちにできること
音楽は「聴く人がいてこそ」成立します。だからこそ、表面的な煽りや断片的な情報に振り回されず、両者の楽曲をしっかりと聴いて判断することが大切です。
ヒップホップは時に激しく、時に鋭く、しかし常に“リアル”であろうとする音楽です。だからこそ、今回のような騒動が、単なる炎上で終わらず、より深い作品と対話を生み出すきっかけになることを願いたいものです。
※本記事は公開情報をもとに構成されており、当該人物の名誉を毀損する意図は一切ありません。
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