2025年、世界中から注目を浴びた科学者がいます。
その名は**坂口志文（さかぐち しもん）**さん。
彼は「制御性T細胞（Treg）」を発見し、
過剰な免疫反応を抑える仕組みを世界に示したことで、
ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
この記事では、坂口志文さんの出身地や学歴、華麗な経歴に加え、
支え続けた妻（教子さん）や家族構成についても詳しく紹介します。
■ 坂口志文のプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 坂口 志文（さかぐち しもん） |
| 生年月日 | 1951年1月19日 |
| 年齢 | 74歳（2025年現在） |
| 出身地 | 滋賀県長浜市（旧・東浅井郡大郷村） |
| 国籍 | 日本 |
| 職業 | 医師・免疫学者・大阪大学栄誉教授 |
| 学歴 | 京都大学医学部卒業 |
| 主な研究分野 | 免疫学、自己免疫疾患、制御性T細胞の研究 |
| 主な受賞 | 紫綬褒章、文化勲章、ガードナー国際賞、ノーベル生理学・医学賞 |
■ 出身地と幼少期 ― 学びを重んじる家庭に育つ
坂口志文さんは滋賀県長浜市出身。
地元では“びわ湖の秀才”と呼ばれるほどの頭脳明晰ぶりで知られていました。
幼少期を過ごしたのはびわ南小学校・びわ中学校。
父親は地元の長浜北高校の校長先生を務める教育者でした。
家庭は厳しくも温かく、勉強だけでなく誠実さや努力の大切さを学ぶ環境。
小学校の卒業文集ではすでに「将来は研究者になりたい」と書いていたといいます。
その後、地元の長浜北高校に進学。
高校時代から理系分野で突出した才能を見せ、
「授業中に先生の説明を先読みして答える生徒」として注目されていたそうです。
■ 学歴と経歴 ― 京都大学で基礎医学を究める
高校卒業後、坂口さんは京都大学医学部へ進学。
医師免許を取得後、臨床よりも“生命の根本”を追う基礎医学研究の道へ進みます。
大学院に進むも、わずか1年で中退し、
愛知県がんセンター研究所に研究生として参加。
この決断が、後のノーベル賞につながる第一歩でした。
1983年に京都大学から医学博士号を取得。
論文のテーマは「胸腺摘出によるマウス自己免疫性卵巣炎の免疫学的研究」。
免疫システムが自分自身を攻撃してしまう現象（自己免疫）の研究に深く踏み込んでいきます。
その後、ジョンズ・ホプキンス大学やスタンフォード大学で客員研究員として活躍し、
世界最先端の免疫学者たちと交流を深めました。
■ 制御性T細胞の発見 ― 医学界を変えた革命的功績
坂口志文さんの最大の功績は、
1990年代初頭に発見した「制御性T細胞（Regulatory T cells / Treg）」です。
この細胞は、免疫の暴走を防ぐ“ブレーキ”のような役割を果たすもので、
自己免疫疾患・アレルギー・がん治療など、
現代医療の多くの課題に対して新しい道を開きました。
当初は多くの学者に理解されず、
「そんな細胞は存在しない」と批判される時期もあったといいます。
それでも坂口さんは信念を貫き、
20年以上にわたりTregの存在を証明し続けました。
「本当に正しいことは、いつか必ず証明される」
この言葉どおり、2000年代に入るとTregの研究は世界的に認められ、
坂口志文という名前は免疫学の教科書に刻まれる存在となりました。
■ 大阪大学での活躍とベンチャー設立
2000年代以降は京都大学再生医科学研究所の教授を務めたのち、
**大阪大学免疫学フロンティア研究センター（IFReC）**の教授へ。
2010年代には「免疫寛容」の理論を確立し、
世界各国の学会で講演を行うなど、国際的評価を得ました。
さらに、2016年には妻・教子さんと共に、
**バイオベンチャー企業「レグセル（RegCell）」**を設立。
制御性T細胞を活用した再生医療・がん治療の実用化を目指しています。
レグセルは日本医療研究開発機構（AMED）や東京大学エッジキャピタルなどから出資を受け、
今や日本を代表する創薬系スタートアップの一つとなっています。
■ ノーベル生理学・医学賞受賞（2025年）
そして2025年、坂口志文さんは
「末梢性免疫寛容に関する発見」により、
ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
受賞スピーチでは、
「信念を持ち続けたことと、家族や仲間の支えに感謝します」
と語り、研究人生を支えた人々への感謝を述べています。
長年にわたる努力と情熱の結晶が、ついに世界最高峰の栄誉として実を結んだ瞬間でした。
■ 妻(嫁)・坂口教子さんとの絆
坂口志文さんを語るうえで欠かせないのが、妻・教子（のりこ）さんの存在です。
教子さんも理系のバックグラウンドを持ち、
若い頃から研究者として坂口氏と二人三脚で歩んできました。
結婚後は、夫の研究を精神面・生活面の両方で支え続け、
海外留学時代にも共に渡米して研究生活を共にしたそうです。
2024年以降は、レグセル社の共同創業者兼取締役副社長として、
企業運営にも積極的に関わっています。
坂口さんはインタビューで、
「研究を諦めずに続けられたのは妻の支えがあったから」
と語っており、夫婦の信頼関係の深さがうかがえます。
■ 子供や家族構成について
坂口志文さんの子供に関する詳細情報は、
現在のところ公には発表されていません。
ノーベル賞受賞後の記者会見でも、
家族については多くを語らず、プライベートを大切にしている様子が伺えます。
しかし、受賞スピーチや過去の講演で「家族の支えに感謝している」と述べており、
家庭を何よりも大切にする人物像が浮かびます。
また、父親が教育者であることから、
坂口さんも「家族の教育や人格形成を重視してきたのでは」と言われています。
■ 人柄と信念 ― 科学を愛し、人を思う研究者
坂口志文さんの特徴は、何より真摯さと謙虚さ。
学生時代から常に「研究は人のためにある」と語り、
成果よりも“真理を探求すること”を重んじてきました。
研究者としてだけでなく、
多くの若手科学者に対して「諦めない姿勢」を説き、
教育者としても高く評価されています。
また、講演や著書では「免疫とは自己と非自己の揺らぎの中にある」と表現。
科学と哲学を融合したその考え方が、多くの人の心を打っています。
■ 坂口志文の受賞歴（一部抜粋）
- 2009年：紫綬褒章
- 2012年：朝日賞・日本学士院賞
- 2015年：ガードナー国際賞（ノーベル賞の登竜門）
- 2017年：クラフォード賞
- 2019年：文化勲章
- 2025年：ノーベル生理学・医学賞
科学界の名だたる賞を数多く受賞し、
その研究がいかに世界的な影響を与えたかがわかります。
■ まとめ：坂口志文は“信念の科学者”
- 滋賀県出身、京都大学卒業の免疫学者
- 「制御性T細胞（Treg）」の発見でノーベル賞を受賞
- 妻・教子さんと共に研究と企業活動を続ける
- 家族思いで、信念を貫く温厚な人格者
坂口志文さんの人生は、
**「信じる道を貫くことの大切さ」**を教えてくれます。
数十年にわたる地道な研究が、
今や世界中の患者を救う光となり、
そして多くの研究者に希望を与えています。
これからも彼の哲学と功績は、
日本のみならず世界の科学界に受け継がれていくことでしょう。
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