ラップシーンに突如現れ、独自の音楽性と圧倒的なカリスマ性で若者たちから熱狂的な支持を集めたアーティスト「Tohji(トウジ)」。その名前を初めて耳にする人もいれば、数年前から彼の音楽に魅了されているファンも少なくありません。
そんなTohjiが、2026年をもって音楽活動から退くことを発表し、大きな話題となっています。
では一体、彼はどのような人物で、なぜ引退を決断したのでしょうか?本記事では、彼のこれまでのキャリアとその背景にある思考、そして“次のステージ”への展望について深掘りしていきます。
◆ プロフィール|ラッパー・Tohjiとは何者なのか?
本名:非公開
生年:1996年5月(現在29歳)
出身地:イギリス・ロンドン → 日本(横浜)
活動期間:2017年〜2026年予定
所属グループ:Mall Boyz
ジャンル:ヒップホップ、ハイパーポップ、マンブルラップ
Tohjiは1996年にロンドンで誕生し、幼少期に日本へ移住。神奈川県・港北ニュータウンで育ち、名門私立校「麻布中学校・高等学校」に進学しました。
中学1年の頃、ヒップホップに出会い、その後、高校時代の事件を機に退学。約1年間引きこもった経験を経て、音楽で自分を表現する道を選びます。
◆ 異色の経歴|アート大学出身のインテリラッパー
高校中退後に高卒認定を取得し、武蔵野美術大学に進学。美術と音楽という2つの表現手段に囲まれた環境で、仲間たちと楽曲制作やイベント企画を行い、徐々にアンダーグラウンドシーンで名を馳せていきました。
大学時代には、後の仲間gummyboyらとともに「Mall Boyz」を結成し、インディーながら確実にファンを増やしていきます。自身の音楽はSpotifyやSoundCloud、YouTubeを中心に発信し、地上波テレビにはほとんど出ないというスタンスを貫いてきました。
◆ 快進撃|渋谷のクラブからアリーナへ
Tohjiの代表的な実績は以下の通りです:
- 2017年:「ラップスタア誕生!」(AbemaTV)で決勝進出
- 2024年:「POP YOURS 2024」(幕張メッセ)でヘッドライナー出演(3.5万人動員)
- 2025年2月:横浜ぴあアリーナMMで1万人を動員した単独公演(チケット即完)
- 2025年10月:「POP YOURS OSAKA」のステージで引退発表
アリーナ公演はその後、ドキュメンタリー映画としてイオンシネマで上映されるなど、彼の存在は“テレビに映らない大スター”として注目を集めていきました。
◆ なぜ「誰?」と言われるのか?そのギャップの正体
Tohjiの名前が大きなメディアで取り上げられると、Yahoo!ニュースなどで「誰?」「知らない」という声が殺到する現象が起きました。
これは、**音楽消費の“世代間ギャップ”**によるものです。
- 地上波・CD・テレビ世代:音楽=テレビに出てる人
- サブスク・SNS世代:音楽=Spotify、YouTube、TikTokで発見
Tohjiは、まさに後者の代表格。だからこそ、**若年層では「圧倒的認知度」**なのに対して、テレビ文化に馴染みのある層には「無名」に映ってしまうのです。
◆ 引退の真相|やり切った末の決断
Tohjiは、2025年10月18日、大阪城ホールで行われたイベント「POP YOURS OSAKA」のステージ上でこう語りました。
「今までやれることはすべてやってきたし、晴れ晴れとした雲ひとつないような気持ちです」
この言葉からは、“燃え尽きた”というよりも、達成感と次への意志が感じられます。
29歳という若さでの引退ですが、インディペンデントでアリーナを満員にし、国内外から高い評価を受けてきた彼にとっては、「次の表現の場所を探すための区切り」なのかもしれません。
◆ Tohjiの音楽性と革新性
Tohjiは「マンブルラップ」と呼ばれる、言葉の響きを重視するスタイルで知られています。
代表曲の「Higher」や「TEENAGE VIBE」は、SNSを通じて瞬く間に若者たちの共感を呼び、ヒップホップというジャンルに新たな潮流をもたらしました。
Mall Boyzのコンセプトは、地元(フッド)を持たない若者たちの共通原風景=“ショッピングモール”。
この現代的かつ感覚的な切り口は、多くのZ世代の心に響いたと言われています。
◆ 海外メディアも注目|国際的な存在感
Tohjiの音楽は日本国内にとどまらず、海外メディア「The FADER」「032c」などでも特集されました。
また、Drain GangのBladeeやyeuleといった海外アーティストとの共演も積極的に行っており、日本と世界のインディシーンをつなぐ架け橋としても機能してきました。
このような国際的な文脈も、彼の活動の特徴の一つと言えます。
◆ 今後の展望|Tohjiは何を目指すのか?
音楽以外にも可能性を感じさせるTohji。アート、ファッション、映像、プロデュース──そのどれもが彼にとっての“次なるステージ”になり得るでしょう。
また、2026年に向けて「ラストライブ」や「最終アルバム」の制作が行われる可能性も高く、ファンにとっては**“限られた期間の中で、彼の音楽を全力で味わう”最後のチャンス**になります。
◆ まとめ|「誰?」と言われたTohjiの“本当の姿”
- 1996年生まれ、横浜育ちのインテリ系アーティスト
- 地下からアリーナまで駆け上がったインディーの星
- 若者世代に熱狂的支持、海外メディアも注目
- 「やり切った」末の引退は、次の挑戦の始まり
Tohjiの物語は、ただの引退報道では語り尽くせません。
それは「インディペンデントでもここまで行ける」「新しい音楽の届け方はある」という、ひとつの時代の証明なのです。
2026年、Tohjiのラストアクトに、静かに注目が集まります。
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