2025年11月、国内バドミントンファンにとって注目の大会「熊本マスターズ」で、期待を集めていた女子ダブルスペア——志田千陽選手と五十嵐有紗選手のペアが大会途中で棄権するという思わぬ展開が起こりました。
SNSを通じてファンに棄権の報告がなされると、瞬く間にネット上では驚きと心配の声が広がりました。そのなかで多くの人が抱いたのは、
- 「試合前のアクシデントって具体的に何があったの?」
- 「二人はもう組まないの?」
- 「再出場はいつになるのか?」
といった疑問です。
本記事では、棄権に至った背景や理由、アクシデントの中身、そして今後の活動の見通しについて、読者の疑問に答える形で丁寧に解説していきます。
■ 志田千陽・五十嵐有紗ペアとは?|世界的実力者が組んだ“注目ペア”
この二人がペアを組んだのは、実は比較的最近のこと。2025年9月に正式結成されたばかりの新しい組み合わせです。
◆ 志田千陽(28歳・再春館製薬所)
女子ダブルスを中心に活躍し、パリ五輪では銅メダルを獲得するなど、日本代表として世界レベルの成績を残してきた実力派。スピード感と的確なポジショニングが武器。
◆ 五十嵐有紗(29歳・BIPROGY)
混合ダブルスの名手として知られ、**五輪2大会連続でメダル獲得(いずれも銅)**という輝かしい実績を持つ。攻守の切り替えが巧みで、ダブルスにおける戦術理解も非常に高い選手です。
もともと種目が異なる二人ですが、それぞれの経験と技術を融合させ、新たな化学反応を期待されてのタッグでした。
■ 6大会連続出場|結成直後から“世界転戦”を経験
ペア結成からわずか2か月ほどの短期間で、すでに海外6大会に出場していた両選手。
最高成績はベスト4と、結果だけ見れば上々です。しかし、志田選手は先日のイベントでこう語っていました。
「最初は合わない部分も多かったけど、ヨーロッパ遠征の4大会目くらいから、自分たちの強みが見えてきた」
つまり、短期間ながら急ピッチで“ペアとしての完成度”を高めていた矢先の大会が、今回の熊本マスターズだったわけです。
■ 棄権の発表とコメント全文|「試合前のアクシデント」とは?
棄権の発表は、試合翌日である11月12日に行われました。
インスタグラムを更新した五十嵐有紗選手は、以下のようなコメントを残しています。
「試合前のアクシデントがあり、試合を続けることが難しいとの判断になりました」
「熊本でのプレーをすごく楽しみにしていたので、何とかコートに立ちたいと思い、仲間やスタッフの支えで1回戦は勝ち抜けました。でも、今後のことを考えて棄権という選択になりました」
この発表から分かるのは、
- 大会前に何らかのトラブル(おそらく身体面)が起きたこと
- 無理を押して1試合は出場したが、長期的な影響を避けて棄権したこと
といった点です。
「アクシデント」の詳細については明言されていませんが、五十嵐選手の謝罪の言葉や「早く治す」との記述から見て、自身の体調やコンディションの問題だった可能性が高いと考えられます。
■ 1回戦は完勝だっただけに、惜しまれる判断
初戦となった11日の試合では、台湾のペアをストレートで下し、2回戦進出を果たしていました。
このパフォーマンスだけを見れば、コンディションに大きな問題があったようには感じられなかったファンも多く、「なぜ棄権なのか?」という疑問が広がったのは自然な反応でした。
ですが、アスリートにとって「出場できるかどうか」と「100%のパフォーマンスができるか」はまったく別の問題です。とくにバドミントンのように瞬発力や反復動作が重要な競技では、ほんの少しの痛みや違和感が命取りになることもあります。
■ 熊本での“国内初お披露目”だったからこその無念
今大会が行われたのは、志田選手が所属する再春館製薬所が拠点を置く地元・熊本県。つまり、ファンだけでなく関係者やスポンサーにとっても、特別な意味を持つ舞台でした。
だからこそ、1回戦に「無理をしてでも出場した」という背景には、地元への想いとファンへの誠意があったことは想像に難くありません。
志田選手も大会前のインタビューで、熊本開催に対する並々ならぬ意気込みを語っていたことからも、この棄権が“ギリギリの選択”だったことがうかがえます。
■ ファンの声|励ましと期待があふれるコメント多数
Yahoo!ニュースのコメント欄やSNSでは、残念がる声がある一方で、次のような前向きなエールも多く見受けられました。
- 「勇気ある判断だと思う。無理して大事に至るよりずっといい」
- 「また元気に戻ってきてくれるなら、いくらでも待つよ」
- 「たった数週間であそこまで仕上げたんだから、今後に期待しかない」
“心配”というよりは、“再起への期待”が多く寄せられている点も、志田・五十嵐ペアがファンに信頼されている証拠といえるでしょう。
■ 今後の予定と再始動はいつになる?
現時点では、次に二人がペアとして出場する大会についての公式発表はありません。
しかし、コメントのなかで五十嵐選手は「すぐに治して、また2人で元気いっぱいコートを駆け回れるように頑張ります」と明言しており、長期離脱や解消の予定はなさそうです。
通常、軽度のコンディション不良であれば、1〜2週間の調整期間を経て再始動できる場合が多いため、年内〜年明けの国際大会での復帰が見込まれる可能性も十分あります。
■ 棄権は“失敗”ではない。未来へ向けた“戦略的選択”
今回の件を「残念な出来事」と見る人も少なくありませんが、アスリートとしてはむしろ賢明な判断だったともいえるでしょう。
- 大事な大会だったとしても、無理をして深刻なケガをすれば復帰に数カ月以上かかるリスク
- 今後のツアー日程や五輪ポイントランキングなど、中長期的視点での戦略が重要
競技人生を長く、安定的に歩んでいくためには、「棄権」という選択もまた、大切なチーム戦略の一部なのです。
■ まとめ|このペアの“本当の勝負”は、まだこれから
志田千陽選手と五十嵐有紗選手は、まだ結成間もないとはいえ、すでにペアとしての可能性とポテンシャルを十分に証明してきました。
熊本での苦渋の決断は、確かに残念な結果ではありましたが、彼女たちの本当の戦いはこれからが本番。
今後の国際大会や主要ツアーにおいて、再び笑顔でコートに立つ二人の姿を楽しみに待ちたいものです。

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