女子プロテニス界で今、ひときわ注目を集めている若手選手がいます。その名も伊藤あおい選手。パワーや体力に頼らないテクニカルなプレースタイルで、世界ランキング100位にまで上り詰めた実力者です。
今回はそんな伊藤選手の「出身地や高校などのプロフィール情報」に加え、「父親・母親との関係や家族構成」を中心に、彼女の人間性や強さの背景にある“育てられ方”について掘り下げていきます。
■ 出身地と基本プロフィール:名古屋育ちの知性派テニスプレイヤー
伊藤あおい選手は2004年5月21日生まれ、愛知県名古屋市出身です。身長167cm、利き手は右、バックハンドは両手打ち。2022年にプロ転向し、わずか数年でWTAツアー100位に到達しました。
テニス界では10代から才能を発揮する選手も多い中、彼女の成長は地道で実直。プロ入り後も国内外の大会に果敢に挑み、経験を積みながら力をつけてきました。
■ 高校はどこ?代々木高校を選んだ理由とは?
学歴としては、名古屋市立清水小学校 → 八王子中学校を経て、通信制の代々木高等学校を卒業しています。
スポーツ選手が通信制の高校を選ぶ理由はさまざまですが、伊藤選手の場合も、練習と遠征に専念するためだったと推察されます。
「試合のたびに日本と海外を行き来する生活の中で、柔軟な学習環境を選んだ」という判断は、将来を見据えた賢明な選択だったのでしょう。
■ 父親は“元検事”で独自の教育哲学を持つ人物
伊藤選手の父親は、なんと元検事という肩書きを持つ人物です。法曹界でのキャリアからは、論理的な思考力や冷静な判断力がうかがえます。
その父が娘に施した教育は、「自由で型にはまらない発想を大切にすること」。プロのコーチではありませんが、休日には家族でテニスを楽しみながら、彼女に“考えるスポーツ”としてのテニスを教え込んだのです。
たとえば試合の作戦について、「勝ち方を型にするより、相手のリズムを崩すような戦術を」とアドバイスしていたそうです。これはまさに、「正解のない世界で思考力を武器に戦え」という父の哲学がにじむ教育方針ですね。
■ 憧れの選手像:父の理想は“伊達公子”と“シェー・スーウェイ”
伊藤選手の父親は、彼女が幼い頃から理想のプレイヤーとして伊達公子さんと**シェー・スーウェイ選手(台湾)**の名前を挙げていました。
どちらもパワーよりも技術や配球で相手を翻弄する戦術型の選手。その影響もあってか、伊藤選手自身も派手さより“相手の動きを読み切って支配するスタイル”を得意としています。
筆者も実際に試合を観たことがありますが、伊藤選手のプレーは「まるで将棋のよう」だと感じました。序盤から中盤にかけてじっくりと布石を打ち、相手が動いた瞬間に逆を突く。そんな頭脳プレーは父の指導がベースにあるとしか思えません。
■ 母親は元旅行会社勤務!家庭での支えも大きなカギ
一方、母親は元旅行会社勤務のキャリアウーマン。現在は、娘の遠征サポートや食事管理、メンタルケアまで一手に担っています。
特に海外遠征の多い伊藤選手にとって、移動や現地での生活環境のストレスは大きな問題。しかし母親がスムーズに手配をしてくれることで、競技に集中できる環境が整っているのです。
また、母親の存在は「失敗しても絶対に責めない」安心感のある存在としても大きいようで、本人は「家族全員でRPGのように私のランキングアップを楽しんでくれている」と語っています。
■ 姉の存在も影響大!テニスを始めたきっかけは“家族時間”
伊藤あおい選手がテニスを始めたのは5歳のとき。きっかけは、**4歳年上の姉と父との「家族の時間」**だったそうです。週末になると、家族全員でコートに出て、テニスを楽しんでいたといいます。
プロを目指すというより、最初は「遊びの延長」。だからこそ無理なく、楽しく続けられたのかもしれません。
これはまさに、「楽しいから上達した」典型例。スポーツの本質は「楽しさ」にあるということを再認識させられるエピソードですね。
■ 試合前に“ウォームアップしない”という独自ルーティン
伊藤選手は試合前の準備にも独特のスタイルを貫いています。
一般の選手が音楽を聴いたり、ストレッチをしたりする中で、彼女は絵を描いたり漫画を読んだりするのだとか。あえて特別な準備をせず、“普段通り”でいることで、試合を特別なものとせずに戦う。これもまた、「平常心が何よりの武器」という家庭教育の賜物でしょう。
■ テクニックに宿る“頭脳”──父の教えがプレーに滲む
伊藤選手は「体力ではなく戦略で勝つ」ことを自分のプレースタイルだと語っています。事実、フォアのスライスやライジングショット、ムーンボールなど、相手の意表を突く球種を自在に操る彼女のテニスは、まさに“思考力の結晶”です。
これらはすべて、父親が伝え続けた「考える力の大切さ」に由来しているように感じます。
たとえばオセロや将棋に似ているといったらわかりやすいでしょうか?最初の一手から、すでに終盤を見越して布石を打つ。その頭脳的なテニスが、世界を舞台に通用しているのです。
■ まとめ:伊藤あおい選手の原点は“家族の哲学”にあり
出身は名古屋、学歴は通信制の代々木高校。そして、元検事の父と元旅行会社勤務の母という知性あふれる両親に育てられた伊藤あおい選手。
その原点には、「考える力を武器に、自由に戦え」という家庭の哲学がありました。
家族との絆、そして姉とともに始めたテニスという“遊び”が、やがて世界ランキング100位という大舞台へとつながっていったのです。
今後もますます海外遠征が続くであろう彼女の活躍から、目が離せませんね。
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