メジャーリーグでも注目を集めるドジャースのエース・山本由伸選手。実力はもちろん、彼の発言やキャラクターも話題となっていますが、近年ネット上で特に注目されているのが、いわゆる「言ってない語録」と呼ばれる“名言集”です。
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本稿では、この「言ってない語録」がどのようにして生まれ、どんな意味があるのか、なぜ誤解が生じたのか、そしてファンの間でどのように広まっているのかについて掘り下げていきます。
■ 山本由伸「言ってない語録」とは？
「言ってない語録」とは、その名の通り「本人が実際には口にしていないはずの名言」が、あたかも本人の発言のように扱われている一連のフレーズ群です。ネット掲示板やSNSなどを中心に爆発的に拡散され、ファンの間では半ば「公式」扱いされるほどの人気を博しています。
以下は、代表的な“言ってない語録”の一例です：
- 「ブルペンのドアを施錠しておけ」
- 「負けという選択肢はない」
- 「俺を出すことが最善の選択肢だ」
- 「自分こそがエースであり、最高の投手だ」
- 「これが今日お前らが得られる唯一の得点だ」
- 「打てるものなら打ってみろ」
どれもまるで映画や漫画の主人公のセリフのように力強く、挑発的で、自信に満ちた言葉ばかりです。実際、これらの語録はまるで“なろう系”主人公（自信過剰で無双するキャラクター）を彷彿とさせることから、一部では「なろう由伸」などと揶揄されることもあります。
■ なぜ「言ってない語録」が誕生したのか？
この一連の語録が広まった背景には、「翻訳の誤差」と「イメージの先行」があります。
通訳の誤訳？ニュアンスの違いが拡大解釈に
山本選手がメジャーでの試合後インタビューで日本語でコメントした内容を、球団付きの通訳が英語に翻訳。その英語訳が「ビッグボイス」（＝やや誇張された強調表現）としてアメリカメディアに伝わり、さらにそれが日本のファンの元に“直訳”として逆輸入されてしまうことで、本来のニュアンスとはかけ離れた印象が残ってしまったと考えられます。
たとえば「全力を尽くす」といった謙虚な表現が、「負けるという選択肢はない」と変換されて伝わることで、本人が強気な性格であるという“印象”が一人歩きしてしまったのです。
■ ファンカルチャーとしての「語録」
面白いのは、この“言ってない語録”がファンによってネタ化され、コラージュ画像やTシャツといったグッズまで作られている点です。MLB中継で山本選手が映ると、SNSでは「ドアはもう施錠されたな」や「今夜もブルペンの鍵が飛ぶ」などのコメントが飛び交います。
これは単なる誤解や誤訳ではなく、「山本由伸」というキャラクター像をファンが自ら作り上げていく文化の一部といえるでしょう。
■ 本人はどう思っているのか？
山本選手自身はこの“言ってない語録”について、特に明言はしていないようです。ただし、チームメイトやファンの間でこの現象が話題になっていることは十分認識しているとみられます。MLB公式グッズで語録をもじったTシャツが販売されているという情報もあり、球団やマーケティング側もこの“盛りすぎたイメージ”をうまく活用している様子です。
逆にいえば、山本選手は無口で職人肌の日本人投手という静かな一面を持ちながらも、こうした“海外メディア発信のフィクション”を受け入れる柔軟さも持ち合わせているのかもしれません。
■ 「語録」は実力の裏付けがあるからこそ成立する
「なぜ本人が言ってもいない名言が、ここまでファンの心をつかんだのか？」という疑問には、やはり山本選手の“圧倒的な実力”が背景にあると言えるでしょう。
現役最強の一角を担うその投球は、どんな強気なセリフであっても「本当に言いそう」と思わせてしまう説得力を持っているのです。これは、凡人が同じことを言ってもネタにならないのと同様で、“実力の裏付け”があるからこそ、ファンは彼の言葉（たとえ言っていなくても）に惹かれるのです。
■ 実際の山本由伸はどんな性格？
彼の普段のインタビューやSNSでの発信を見る限り、山本選手は非常に謙虚で冷静、言葉選びも慎重なタイプです。感情的になることは少なく、淡々と「次に向けて頑張りたい」といった姿勢を崩さない、まさに“ザ・職人”という印象です。
つまり、「俺が最強だ」と豪語するようなキャラではまったくないのです。しかし、そこがまた“ギャップ萌え”として、ファンにとっては魅力となっている面もあるでしょう。
■ 結論：「言ってない語録」は令和のファン文化
一連の“言ってない語録”は、現代のプロ野球ファンがネット上で築き上げた新しい「スポーツエンタメ」の形です。
そこには翻訳という文化的な違い、メディアの解釈、ファンの想像力、そして選手の実力すべてが絡み合っており、単なる“間違った引用”では片付けられない深みがあるのです。
これからも山本由伸選手の活躍とともに、語録もアップデートされていくでしょう。そしてファンたちはその変化を、また楽しんでいくのです。
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