近年の大相撲界では、海外出身力士の活躍が目立ちます。その中でもひときわ注目されているのが、ウクライナ出身の安青錦(あおにしき)関です。
圧倒的なフィジカルと鋭い立ち合いを武器に急成長中の彼は、その端正な顔立ちと透き通るような青い瞳から“イケメン力士”としても人気を集めています。
この記事では、そんな安青錦関の
- 両親や兄弟など家族構成
- 出身中学・高校・大学などの学歴
- 相撲を始めたきっかけと来日の経緯
- 日本語の習得や四股名の意味
などを詳しくご紹介します。
■ 安青錦の本名とプロフィール
まずは基本的なプロフィール情報を確認しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 四股名 | 安青錦 新大(あおにしき あらた) |
| 本名 | ダニーロ・ヤブグシシン |
| 出身地 | ウクライナ・ヴィーンヌィツャ州 |
| 生年月日 | 2004年3月23日 |
| 年齢 | 21歳(2025年現在) |
| 所属部屋 | 安治川部屋 |
| 初土俵 | 2023年9月場所 |
■ 両親(父・母)について|ドイツで暮らす家族
安青錦関のご両親は、ウクライナから戦火を逃れ現在はドイツのデュッセルドルフで生活しています。
- 父:セルゲイさん(2025年時点で57歳)
- 母:スウィトラナさん(同じく47歳)
親子での写真も公開されており、非常に仲の良い雰囲気が伝わってきます。
▶ ドイツでの避難生活
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻により、両親は身の安全を守るためウクライナを離れ、ドイツで生活を始めました。現在はクリーニング店で勤務しているとのこと。
安青錦関自身も17歳のときに一度は両親のいるドイツへ避難していますが、「相撲を続けたい」という強い思いから、来日を決意したといいます。
■ 兄について|腹違いの兄がウクライナに在住
安青錦関には3歳年上の異母兄・ニキタさんがいます。
- 兄の名前:ニキタさん
- 生まれ年:2001年頃(2025年で23〜24歳)
- 現在地:ウクライナに残留
- 職業:大学生(侵攻中も通学継続中)
兄はウクライナに残っており、家族4人全員が揃うのは難しい状況が続いています。
それでも安青錦関は、
「家族と一緒に食卓を囲む日を夢見ている」
と語っており、電話やLINE、ビデオ通話で日々連絡を取り合っているそうです。
■ 幼少期〜学生時代:相撲・レスリングの二刀流だった少年時代
安青錦関は6歳の頃から柔道を習い始め、間もなくして相撲クラブに転向。7歳にはすでに本格的に相撲に取り組んでいました。
▶ 少年時代の実績
- 15歳:世界ジュニア相撲選手権 3位入賞
- 17歳:ヨーロッパ相撲選手権(100kg未満級)優勝
- 同年:ウクライナ国内レスリング大会(110kg級)優勝
相撲とレスリングの両方で優秀な成績を残しており、多才なアスリートとして将来を嘱望されていました。
■ 出身校・学歴|中学校〜大学までの歩み
ウクライナにおける義務教育は9年間。安青錦関は地元の「第32学校」で学んでいたことが確認されています。
▶ 出身中学・高校
- **第32学校(ヴィーンヌィツャ州)**に通学
- 日本で言うところの中学・高校に相当
- 15歳で義務教育終了
- 17歳までの後期中等教育を同校で継続
ウクライナの教育制度では、初等教育(4年)+中等教育(5年)の9年が義務教育で、その後、2年間の高等学校に進学する形となります。
彼はその11年間を同じ校舎で学びながら相撲にも励んでいたそうです。
■ 大学進学と日本留学の“すれ違い”
ウクライナの国立大学へ進学する予定だった安青錦関ですが、戦争の勃発により進学を断念。
避難生活の中で、自身が「日本で相撲を取りたい」という夢を実現させるため、関西大学相撲部の山中新大(やまなか・あらた)さんに連絡を取ります。
実は彼とは以前の国際大会で知り合い、SNSを通じてやり取りをしていた仲だったのです。
▶ 関西大学と報徳学園で稽古に参加
- 山中さん宅で下宿
- 関西大学相撲部・報徳学園相撲部で練習生として稽古に参加
- 山中さんが安治川親方(元関脇・安美錦)に紹介
- 2023年に安治川部屋へ入門
実際には「関西大学に留学」したわけではありませんが、深く関わりのある恩人の大学であり、精神的な“母校”とも言える存在です。
■ 四股名の由来と日本語習得
四股名「安青錦 新大(あおにしき あらた)」には、たくさんの思いが込められています。
- 「安」「錦」=師匠・安治川親方(安美錦)の四股名から
- 「青」=ウクライナの国旗、そして自身の瞳の色から
- 「新大」=山中新大さんへの感謝の気持ちを込めて
非常に意味深く、恩人と祖国へのリスペクトが込められた名前ですね。
▶ 日本語の習得エピソード
来日当初はまったく話せなかった日本語ですが、
- 日本語学校に1カ月間通学
- 力士仲間に質問 → メモ → 1日3〜4回使う
という方法で語彙を増やしていったとのこと。努力家な一面が垣間見えるエピソードです。
■ 家族への想いが原動力に
安青錦関は、両親や兄とは離れて暮らしていますが、常に家族への感謝を忘れていません。
「もっと上に行って、家族に恩返ししたい。好きなものを食べさせてあげたいし、どこかへ連れて行ってあげたい。」
彼のこの言葉からは、故郷や家族への強い愛情が感じられます。
異国の地で孤独に戦う若者にとって、家族の存在がどれだけ大きな支えになっているのかがよく伝わってきますね。
■ まとめ|安青錦は“想い”を力に変える若き力士
ここまで、安青錦関の学歴と家族構成、そして相撲にかける情熱を深掘りしてきました。
✅ ポイントまとめ
- 出身はウクライナのヴィーンヌィツャ州、本名はダニーロ・ヤブグシシン
- 両親は現在ドイツ在住、兄はウクライナに残留
- 相撲とレスリングでジュニア時代から実績多数
- ウクライナの学校で教育を受け、大学進学は戦争で断念
- 日本では関西大学相撲部などを経て安治川部屋に入門
- 四股名に恩人や祖国の想いを込め、日本語も独学で習得
これからますます注目されるであろう安青錦関。彼の強さの背景には、家族や恩人への感謝、そして自身の夢に向かう強い信念があります。
その一歩一歩の土俵には、“生き様”そのものがにじんでいるのです。

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